韓国食文化の昔からの思想・歴史・変化、そして韓国料理の特徴をご紹介いたします。

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韓国料理の特徴

韓国料理は薬食同源が根底に根付いています。食べるものは全て薬になるという考え方。従って、食を重要視している韓国人の食卓には、ご飯、スープ、メイン料理、おかず、キムチが必ず並び、バランスの良さが特長です。

薬食同源

韓国料理は薬食同源が根底に根付いています。食べるものは全て薬になるという考え方。従って、食を重要視している韓国人の食卓には、ご飯、スープ、メイン料理、おかず、キムチが必ず並び、バランスの良さが特長です。

主食はご飯

主食で最も代表的なものはご飯。雑穀や豆、野菜などを混ぜて炊くことが多く、五穀ご飯については節食にもなっています。食事のときはスープが用意されるため、クッパにして食べる方法が度々とられます。また、日本に比べてお粥の頻度高く、病気のとき以外にも朝食として食べられます。

箸とスプーンの使い分け

食事のときに、箸とスプーンが必ずセット。中国や日本でもスプーンはありますが、韓国では日常的に使います。それは、粥やスープ文化がより発達したためで、スプーンはご飯とスープを食べるときに、おかずをつまむのは箸と使い分けが明確になりました。韓国の大勢で囲んで食べる文化を美徳としているため、大皿料理や鍋を直箸で取り分けあいます。

スープの種類

スープの種類は実にバラエティに富んでおり、呼び方により形態が異なります。

・クク
中に入る食材が少なく、汁の量が多めのスープで一人前ずつ出されます。韓国のお誕生日食であるワカメスープは、ククにあたります。

・湯(タン)
タンもククと同様に具が少なく、汁が多め。ククよりも、肉や海鮮を使ったものや、長時間煮込むものをタンと呼ぶことが多いです。

・チゲ
チゲは汁が少なく、野菜・肉・海鮮などが具だくさん。土鍋や鉄鍋で出されることが多いです。韓国の家庭で良く作るスープに、みそチゲやキムチチゲがあります。

・チョンゴル
少ない汁で煮る鍋の調理方法で、鉄鍋で出されます。鍋に材料を並べ、スープを加えて、食卓ですき焼きのように加熱しながら頂きます。チョンゴルは宮廷料理から生まれた伝統料理にあたります。

メイン料理の肉や海鮮は、焼き物、蒸し物、煮付けで登場。ときにスープがメイン料理になる場合があります。

サム文化

いまや日本でも浸透している、焼肉を葉物野菜で包んで食べる方法。これは、高麗時代から、おかずやご飯を葉物野菜で包んで食べるサム文化があり、今もなお受け継がれています。韓国の野菜摂取量が世界でもトップクラス。サム文化により、自ずと野菜を多く摂取できるようになっています。

常備菜

副菜のおかずは和え物、煮付け、炒め物が中心。その種類は一つ二つで済みません。家庭の冷蔵庫には、長期保存ができるミッパンチャンと呼ばれる常備菜がいつもあるからです。まとめて作っておき、それを毎食食べています。半端に残った常備菜は、ご飯に加えてビビンバに。生活の知恵の一つです。

キムチも常備菜に含まれます。キムチ冷蔵庫が登場し、一家に一台持つ時代になってから、キムチの保存が容易になりました。食卓にのぼるキムチも数種類。基本の白菜や大根のほかに、旬の野菜を使ったキムチで季節感を味わいます。

後食

後食(フシク)と呼ばれるデザートがあります。フシクは韓国の伝統的な菓子、餅、飲み物、果物が中心。餅やお菓子については、節食になるものもあります。

韓定食の影響

韓国料理の品数の多さは、朝鮮時代の宮廷料理から派生した韓定食が影響しています。宮廷料理が庶民に伝わったことで、地域や家庭によって内容が変わりました。また、客人をもてなす料理は、テーブルの脚が折れるぐらいの数と形容されるほど、たくさんの料理が用意されます。調理が簡単でも、品数の多さが良いとされるのです。

節日料理

韓国は節日料理も充実。代表的な節日といえば、旧正月(ソルラル)とお盆の秋夕(チュソク)。双方ともに、先祖を供養し感謝する日でもあります。節日料理に欠かせないものは、ジョンの盛り合わせ。かぼちゃ、白身魚、海老、肉団子など種類が豊富。大勢の家族や親族が集まる大切な日のため、一日かけて焼き上げます。

ソルラル限定のものに、お雑煮があります。牛肉からとったスープに、うるち米を原料にしたお餅を入れます。このお餅はトックといい、長く煮込んでも型くずれしません。韓国ではお正月に一つ年をとるので、年の数だけお餅をいただきます。

またチュソクはソンピョンというお餅を用意します。これはもち米の粉で作った餅に、あんを詰めて、松葉をしいた蒸し器で蒸し上げたもの。松葉は殺菌効果があり、先が尖っていることから魔除けの意味も込められています。